石町「時の鐘跡」は何処? 日本橋編−4 2001.9.7
さて「石町の鐘はオランダまで聞こえ」という川柳もあるそうで
これは長崎屋に宿泊するオランダ人に引っかけて、鐘の音はオランダまで
響くと面白おかしく誇張したもので、鐘撞堂がこの近辺にあったことをうかがわせるものだ。
 切り絵図と現行地図を何度もにらんで見比べる。
 (本石町)同3丁目と縦書きされたやや廣い通りが江戸通りに当たるのではないか。十字路の北東角辺りが長崎屋。とするとひと筋裏(北側)の通りが、「時の鐘」ではないか。
中央通りから北へ一つ目の通り、北都銀行角を東に入る。
 すると、「時の鐘」跡側はまだ新しめのビルである。角の看板は白紙のまま。通りの側の通用門によく見ると、うっすらと「さくら銀行」の消し文字が見える。今はこの一角が13階ほどの「室町ビル」となっている。
 ここに違いないと思うが、残念ながら何の表示もない。 
住所表示は、日本橋室町4丁目5である。
 

室町3丁目交差点/東北角
/右手長崎屋跡/左手室町ビル側

中央通り、左側ビルが室町ビル

東側より中央通りを見る/右側室町ビル

この右側室町ビル(東南角)が
「時の鐘跡」である。
よって、この通りが鐘撞堂新道だったのだ。
何度も足を運んでいたのに気づかなかった!
なんと「時の鐘通り」というプレートが路面に埋め込んであるではないか。ずーと辿っていくと、
何カ所もある。しかしケチをつけては申し訳ないが、普通ではちょっと判らない代物だ。でも、嬉しいことではある。(2002.8.29)

 8月末のまだ残暑厳しい折から、地図片手に「時の鐘跡」探しに何度も日本橋に足をのばしうろうろしたのだが、2001.9.7ようやく場所を特定できたわけだ。

 初めて古地図と現在の街とを比べてみるという体験をしたのだが、歴史の流れ、土地の変貌を実感出来て、面白かった。けっしてこれは無駄な苦労ではなかったのだが、
 その後いろいろ興味が湧いてきて、東京、江戸関係の本を探していたら、
ちゃんと場所が出ているではないか。

 1)「東京史跡ガイド2 中央区史跡散歩」金山正好・るみ著 学生社’93.7.10初刷
「石町時の鐘撞き堂跡 こくちょう ときのかねつきどう あと」(日本橋室町四−五)
  室町三丁目交差点から中央通りを北へ四〇メートルほど行くと、右に神戸室町ビル
 (さくら銀行)がある。この建物の東南隅あたりに本石町の時の鐘撞堂があった。

 2)「新版 東京都の歴史散歩 上 下町」東京都歴史散歩研究会 
   山川出版社’88.12.25 1版1刷
   「さらに中央通りをすすむと、右側に太陽神戸銀行室町支店があり、その壁面に石町   の鐘楼跡を示す標識がはめこまれている。
 
 3)「大江戸生活事情」 石川英輔 講談社文庫 ’97.1.15 1刷
   (元版は「江戸空間」コナミ出版 ’87→増補改訂 評論社 ’93
   →講談社文庫 改題 わずかな追加、訂正)
   第三章 のどかな江戸の町 −生活を明るさに合わせる時刻と暦
    の項で、「時の鐘」安政六年(1859)と現在の地図を左右各1ページ
    に示し、さくら銀行の所に印がある。
     「現在のさくら銀行室町支店のあるビルの後ろ半分あたりに相当する。
   この石川さんの本がドンピシャ当たりだ。判りやすい。
  (ただ住所が日本橋本町四丁目となっているのが、残念)
    江戸の時刻の話も、素人によく分かる。他にも江戸シリーズとしていろいろ
   出しておられるが、全部読んでみたい気になる。大推薦本だ。
 
 4)「別冊歴史読本 比較研究 江戸名所古地図散策」 新人物往来社 2000.12.11
   江戸の河岸 日本橋周辺 が、安政六年版と明治15年と現況と3枚の地図を
  比較、 現況地図に「時の鐘撞堂跡」が明示してある。  

 自分が体験して見つけた所と同じだっただけに、後で見つけた悔しさもあるが、むしろ
実感として理解出来ることがうれしい。 



  
2002.5.28 現状確認に行く。(下の写真 参照)
 
室町3丁目交差点 中央通り 西北角から「鐘撞堂新道」方面をみる。
なんと室町ビル角の看板に「みなと銀行」の名が。(2001.11よりと後で判る)
これで判りやすい。ここと、北都銀行の間の道が「鐘撞堂新道」というわけだ。
 交差点角からは、中原証券・佐々木印店・満留賀そば・北都銀行東京支店となる。
「みなと銀行東京支店」(本店は神戸)の入るビルは正確には「さくら室町ビル」だった。
元は太陽神戸銀行→さくら銀行である。入り口に「定礎1993」とある。12階迄ある。

さらに大収穫は、本物の「石町時の鐘」が見つかったことだ。


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